好きな画家をあげるとすると、
やっぱり故郷・香川にゆかりのある
ふたりになってしまう。
ひとりは、香川を代表する画家
『いのくまさん(猪熊弦一郎)』。
そして、もうひとりが、
作家で画家で商業デザイナーである
邦坊こと『和田邦坊』。
先日、帰省した時に、
高松空港でいつももらう
フリーペーパー『新・さぬき野』で
邦坊さんの特集がしていたのを見たのをきっかけに、
あらためて「邦坊さん、やっぱりいいな〜」と実感。
そもそも邦坊さんの画は、
香川県の人はもちろん、
香川県をよく訪れる人であれば、
一度は見たことがあるはずだ。
それは、邦坊さんが描いた画や商品の題字は、
香川を代表するお土産のパッケージや
手提げの紙袋にたくさん使われているから。
子どものころ、祖母の家に行くと
必ず置いてあった『名物かまど』の包装紙。
香川に帰ると必ずどこかで見かける
『こんぴら名物 灸まん』や
『讃岐うどん 山田屋』の手提げ袋。
《ザ・民芸》といった感じの
生命力あふれる太い線に、
愛嬌と温もりを感じる
やわらかなフォルムの絵や文字。
邦坊さんの画は、
もはや香川の風景のひとつであり、
香川のにおいや思い出を
運んできてくれるものになっている。
ぼくの中では、
どんなにド派手に《香川名物!》と
書かれているものより、
讃岐らしさを感じてしまうものなのだ。
もし香川に立ち寄ることがあれば、
駅の売店や空港、土産物屋さんの棚を
ちらっとのぞいてみてほしい。
きっと、この感覚がわかるはず。
昔からこんなに愛着があったにも関わらず、
邦坊さんの仕事が見られる
『灸まん美術館 和田邦坊画業館』があることを、
恥ずかしながらつい数年前に知った。
うどんを食べることに加えて、
帰省の楽しみがまたふえた。
邦坊さんの数々の仕事は、
『新・さぬき野』のHPでも特集されている。